「一番の下手くそ」には メリットしかない

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一番の下手くそでいよう

情熱プログラマー に、 Be the Worst.(一番の下手くそでいよう) という言葉があります。

次に要約を示します。

「一番の下手くそ」とは、つまり自分より優れた人達と一緒だという意味だ。
人間の本能として、習慣などを採り入れようとする集団心理があり、そのおかげで、奏者としてもプログラマとしても、チームで「一番の下手くそ」でいることで、どういうわけか自分自身が賢くなる。

(情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方)

「一番の下手くそ」とは、 「自分より優れた人しかいない」 ということでもあります。

「一番の下手くそ」でいることは、同化する集団心理が働き、おのずと賢くなれるのです。

「一番の下手くそ」体験談

私にも「一番の下手くそ」となった経験があります。


私は常々「何でもやります !」と公言するようにしています。
経験が自分の武器になると理解しているためです。

「 iOS アプリ開発にチャレンジしないか ?」と、そんな私に当時のマネージャーさんから話をいただきました。

iOS アプリエンジニアが不足しており、 Web エンジニアの私にヘルプで参加してほしい、という内容です。

ヘルプとはいえ、まったく実績がなく、かなりチャレンジングだったと言えます。

「一番の下手くそ」になって、まず感じたこと

このように、実績のない私が iOS アプリチームに参加することとなりました。

チームメンバーはベテランの iOS アプリ開発者ばかりです。
まさに私が「一番の下手くそ」でした。


開発がスタートし、まず私が感じたことは

  • メンバーが何を言っているのかわからない
  • 何がどこに書いてあるのかわからない
  • 迷惑かけないように頑張らないと

でした。

事前に iOS アプリのチュートリアルをこなしていましたが、 製品プロジェクトのレベルは全然違う のですよ。
正直、面食らいました。

「一番の下手くそ」でも No Probrem

そうは言いながらも、時間が経つにつれ、少しずつ色々なことがわかってくるわけです。


メンバーの会話についていけないのは、知識がないためです。

バックグラウンドを理解すると、中身がスッと入り、メンバーの会話へついていけるようになります。

No Probrem


何がどこに書いてあるのかわからないのは、プロジェクト固有の場合と、技術に依存する場合があります。
どちらも「そういうもの」にすぎません。

とくにプロジェクトに固有のものは、新参者が頭を一生懸命にひねっても意味がありません。
質問を適切にすれば、しっかり教えてもらえます。

No Probrem


「迷惑をかけないように頑張らないと !」という姿勢は、確実にメンバーに伝わります。

大抵の人は、努力している人に対して寛大なものです。
それはみな同じように努力してきた過去があり、その苦しさを知っているからです。

No Probrem

「一番の下手くそ」という状況はメリットしかない

結論として、チームで「一番の下手くそ」であっても、なんにも問題がありませんでした。

私の体験では、ハイレベルなスキルを持つ iOS エンジニアにキャリーしてもらいました。
「メンバーが皆メンター」状態で、これってつまり 最高の学習環境 だった、ということですよね。


指摘を受けるのは心苦しいかもしれません。

けれども、それでスキルアップを果たせるなら全然 OK じゃあありませんか ?

ですから「一番の下手くそ」には、メリットしかないわけです。