「バス係数」を高め 家庭のトラブルに備える
「バス係数」とは?
バス係数とは、 という、書籍に登場する言葉です。
雑に言うと、「トラブルに備えておこう」というシンプルなメッセージです。
「なんでバス?」というのは、次が由来です。
君がバスに轢かれたらプロジェクトは終わってしまう
(Team Geek)
もし、マネージャーの頭の中にしかない情報が大量にあるとして、そのマネージャーが突然バスに轢かれたら、彼の抱えているプロジェクトはそこで破綻します。
トラブルはいつも突然に発生します。
(バスに轢かれるか、なんて予測できるはずありませんよね?)
もし、メンバーが突然欠けてしまっても体制を維持できるように、事前に対策を打っておきましょう、ということです。
「バスに轢かれるなんて、ありえない」と笑い飛ばすことはかんたんです。
だからといって、リスクマネジメントをしなくても良いことにはなりません。
絶妙なバランスで、家庭生活が成り立っていないか?
「バス係数」は、なにも仕事に限った話ではありません。 私たちの日常生活にも、「これがダメになったら、即破綻する」というクリティカルな事象って、たくさんありますよね。
産婦人科医がモチーフのマンガ に、これを強く感じエピソードがありました。
それは「奥さんが緊急入院したことで、家の中がメチャクチャになった」というものです。
(ちなみに、劇中での入院理由は切迫流産です。動けないんですよ。)
ゴミは散乱し、汚れ物は山積みされた家の中。 クタクタでまったく余裕のない夫は、些細なことでイライラを爆発させ、子どもにあたってしまう。
「妻の不在」という、たったひとつの前提が崩れたことで窮地に立たれるその様相は、実情が的確に描かれており衝撃すら受けました。
これはリアルです。
ここで感じたことは、わたしたちにとっては普通の日常であっても、実はそれは絶妙なバランスで成り立っているものかもしれない、ということす。
家庭のバス係数を高める
心身が整っていなければ、十分に学んだり、働いたりすることはできません。
また、 心身を整えるには、まずは生活基盤が整っていることが重要です。
そのためには、家庭、家族単位でもバス係数を意識して高めておくことが、先の杖なると考えます。
対策する事柄は、たとえば次です。
- 入院などで家族が不在になっても、家事をこなせるか?
- 一時的に働けなくなっても、数ヶ月生活できるか?
先の例では、妻が家事全般をこなしているため、家事に関するバス係数は 1 です。
ここから、夫が炊事洗濯をある程度こなせられるようになると、バス係数が 2 まで上がります。
さらに、食器洗いを子どもに任せられるのであれば、もう少しバス係数が上がりますね。
また、同時に経済面に対してもバス係数を上げておきたいところです。
とりわけ、 お金の問題は死活問題となりやすい ですからね。
たとえば「安定収入があることを前提」としてカツカツなキャッシュフローを組んでいると、ちょっとした収入ダウンが致命打になります。
つまるところ、マルチスキル化を目指すこと
家族単位でバス係数を高めることは、つまるところ 「家族の構成員それぞれが、マルチスキル化を目指す」 ことであると言えます。
家事負担は女性に大きく偏っています。
そのため、男性が家事をこなせるようになることにはメリットしかありません。
また、家族みんなが複数の収入源を持つことに、なにも不都合はないと思います。
おのおのがマルチスキルをもつことでフォローできる範囲は広がります。
これが実現できればバス係数は多面的に高まり、多少のことではゆるがない体制を実現できるはずです。
大切なことは、家族で対話を重ねることだと思います。
家庭のことをじっくり話し合い、思いを共有し、お互いをフォローできる。
それってもしかして、ものすごく素敵なファミリーではないでしょうか?