「会計士」と「ロックスター」 キャリアのリスク分散

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卵をひとつのかごに盛るな

卵をひとつのかごに盛るな 」というのは資産運用で必ず耳にすることわざです。

卵をひとつのカゴに盛ると、そのかごを落とした場合のダメージが大きいです。
これに対し、複数のかごを用意して卵を盛り分ければ、何かあってもダメージを限定できます。

この考え方は、多様な場面に応用でき、そのひとつが、わたしたちの「しごと」であると考えます。

安定的に賃金を得るには就職することが近道ですが、反面、就職した一社に全力投球をすることは ひとつのかごに労働力をすべて盛って しまうことではないでしょうか?

2000 年以降でも、リーマンショック、関東大震災、コロナショックなど、労働環境を大きく揺るがすビックイベントが立て続けに起こっています。
いつ、どのような会社が消滅するかを予測することは難しいです。

「会社が潰れてしまったからしようがない」では済まないですよね?
ですから、個人としても戦略的に備えることが求められるのではないかと考えます。

そのために、キャリアについても複数のかごを用意してリスク分散し、備えておくことが望ましいと考えます。

「会計士」と「ロックスター」

前日、山口周さんの ニュータイプの時代 で紹介されている キャリアのバーベル戦略 に興味を持ちました。

バーベル戦略 も金融用語で、リスクの異なる複数の金融商品をかけ合わせるものです。
ニュータイプの時代 では、キャリアのバーベル戦略 として、 「会計士」と「ロックスター」 を例に、リスクの異なる仕事をかけ合わせる戦略を提案しています。
このような リスクや性質の異なる仕事をかけ合わせる ことが、この戦略のキモです。


会計士のような固くて安定した仕事で、まず生活基盤を整えます。
安定はしていますが、ローリスクローリターンで、収入がいきなり跳ね上がることは期待できません。

そのためロックスターという異質な仕事をかけ合わせます。
ロックスターとして注目されヒットを出せば大きな収入を得られる可能性があります。
しかし当然、注目を得られる可能性は低く収入に結びつくかは運要素が強いため、ハイリスクであると言えます。

ここで注意したいのはそれぞれの仕事に費やす時間です。

ロックスターを真剣に目指している若者は、音楽活動を中心に添えた活動を目指します。
これは、ハイリスクなキャリアに全振りしてしまうことであり、ハイリスク・ハイリターンであると言えます。
実際、目が出なければその先の苦労も大きくなってしまうでしょう。

そうではなく 「90%会計士、10%ロックスターという生き方」 という分配であれば、生活基盤を維持し余裕を持ちながら同時にハイリターンを狙いに行くことができます。
仮にロックスターの活動が鳴かず飛ばずだったとしても、生活基盤を脅かされていなければダメージは少なく抑えられます。
これは「ゆっくりジワジワ活動する」戦略でもありますが、時間をかけることで誰かの目に触れる機会も増えますから、長期的に見れば成功率は上がっていくでしょう。

ロックな生き方を愛する人にとっては、打算の強い生き方に感じるかもしれませんけどね。

仕事は自由に選んで良い

もちろん「会計士」と「ロックスター」という組み合わせは、ひとつのたとえに過ぎません。

重要なのは キャッシュポイントを複数持つ という意識であって、その組み合わせはなんだって良いと思います。 なんだって良いのですが、ベースは収入が予測しやすい業種とし、掛け合わせるものは収入が跳ね上がる可能性の高いもで組み合わせるのが良さそうです。

また、掛け合わせる仕事は「やってみたかった、心から楽しめるもの」を選ぶと、生活にハリが出て楽しみながら働けそうですね。
いいじゃないですか!

私も、実は IT エンジニアという仕事をベースとしながら、キーボード開発や執筆など細々といろんなものをに手を出していて、「 キャリアのバーベル戦略 的な生き方を実践してるんだなあ」と思い当たりました。


今は会社に忠誠を誓うような時代ではありません。

生殺与奪の権を会社に渡すことなく、

自分でコントロール していって、

長く続いてしまう人生で、ちょっとでも仕事が楽しくなるような工夫

をすると、柔軟なキャリアを構築できると考えています。

副業を解禁する企業も増えていますし、個人がスキルやアイデアを売る事ができるプラットフォームもあります。
そして「収入が増えない」と嘆くよりは、自ら手を動かしてチャンスを掴んでいく、という生き方のほうが、私は楽しいし健全だと思います。

なお、システム化が必要なものならば、私のスキルがお役に立つかもしれません。
CMS くらいなら私ひとりで作れます。